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朧ゝ夜行 -長夜綴り-
卯月のとある日。
視点:--
【 朱鷺田と壬生 】
「目に見えない妖怪となりゃどうなることかと思ったが、お前が居てくれて助かったぜ」
「……なら、よかった」
「だがなあ……、いくら俺に見えねえからって、ちと前に出すぎじゃなかったか?」
「そうか?見えてるから、別に……」
「あー、いや、そうかも知れねえが……。ま、説教は帰ったらしてもらうか……」
「何か言ったか」
「いや、何も?……さ、帰ろうぜー。眠いし腹もへったしな」
「そうだな」
視認できない妖怪の退治に駆り出された二人。
夜通しで任務をこなして明け方に帰還することに……。
【 葉室と玖香 】
「お前とはやりやすくていい」
「なんじゃ、ぬし、選り好みかえ?」
「そういう訳じゃないが……。如何せん、長旅だったからの……」
「ふふふ、“坊の世話は勘弁”とでも言いたげな顔じゃの」
「……そうは言っとらん」
「おぬし、分かりやすいんじゃよ」
「……」
「さて、帰路はまだ長いからのう。ぬしに呆れられんようにせんとの」
「…………」
二人で遠征。移動時間を含め数週間を共に過ごすことに。
能力的にも人柄的にもここのペアは仕事の能率が高そう。
【 九条と恵 】
「尊様~!替えの湯を持ってきま……っ!」
「恵、その桶はそこに置いてくださ……!!」
段差に躓く恵、その手には熱々の湯が入った桶が――。
「…………あ、危ない所でしたね。怪我はありませんか?」
「あ、危なかった……。も、申し訳ございませんでした尊様……」
「いえ、間に合って良かった……。では、恵はこの手ぬぐいを使って患部を拭いてあげてください」
「はい!分かりま――」
「一先ず!……その桶を机に置いてください、恵」
「はい…………」
二人で街の診療所に出向。
なんだかんだでわいわい楽しく仕事をしていそう。
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